fc2ブログ

あんなえぢもね・こんなえぢもね

私と一緒の時間を過ごしているえぢともね。日々の暮らしの中で気づいたことを書いています。

Reinforcement is a process, not an event!

強化について

強化は、ひとつの出来事ではなくプロセスである」という解釈をすると、動物が強化子(ごほうび)と判断しているものの出現から、とっている行動の強化が始まると考えられるでしょう(もちろん終わりはいつかも考えなければですが)。

よく聞くお話で、
お散歩用のリードを手に取ると、
アジリティフィールドに出ると、
犬の食事の用意をし始めると、

このあと続くお話は、
興奮して困る。
飛びついて困る。
ワンワン吠えて困る。などなど。

行動の原則からいうと、正の強化が起きて行動の頻度または強度があがっているということでしょう。「よく聞くお話」の部分が、「強化子(の出現)」ということになります。一緒に暮らしていて、もしこういった行動が困るので消したいと思ったら、なにか策を練らなければなりません。

ひとつの例ですが「リードをリード置き場から持ってきて犬につけようと思うけど、その間ずっと飛びついて吠える。カラーにリードをつけようにも上手くつけられない」犬がいたとします。飛びつきやはねは無視して歩き続け、リードをカラーに着ける時に、リードを持ったまま犬の正面に立って、犬が座るのを待ってカラーにリードをつけたとします。これだと犬の正面に人間が立った時だけおとなしく座る(そしてカラーをつける)ことは定着するかもしれないけれど、一連の困っている行動は、おそらく減らないでしょう。

リードの出現(もしかしたらリードを取りに行く、人間のその動きからかも)から強化が始まっていると考えます。すると報酬が出現し近づいてくるその時間の流れの中で起きることすべてが強化の対象になることを意識する必要があります。

飛びついたり吠えたりしてほしくないなぁ・・・と思ったら、あまりに明らかな強化子(ごほうび)があるのですから、上手に正の強化と負の弱化を組み合わせて使ってみることがおススメです。

リードを持った瞬間、犬の困った行動が見られたら、すぐさま手に持ったリードを元の位置へ戻してしまいます。望んでいる行動(例えば4本の足が地面についているとか、なんらかの強化対象にしたい形を決めておいて)が出たら、すぐにリードを手にします。そこで、もし望んでいない行動が出てしまったら、すぐにリードを片付ける・・・。これの繰り返しです。

犬にとって報酬の出現と消滅が明白ですから、何が望まれているのか理解しやすいでしょう。

クリッカートレーニングをすると興奮してほえてしまうので、クリッカーは使わない・・という方も結構いますが、こんなことを意識してみると、問題はクリッカーにあるのではなく、その登場の仕方(笑!)に問題がある可能性が見えてきます。もしそこに原因があれば、困った部分をなくし、道具として本来の目的にそった有効な利用ができるようになるかもしれません。

写真は、リードを持った人が前に立つと座るので良い子に見える(笑)もにへ。

  1. 2008/04/19(土) 03:27:53|
  2. コミュニケーション
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

れんず!

れんず


もに平とスチール写真のお仕事にでかけてきました。

今回のキーワードは大きなお目めと笑い顔。

寄りの撮影ではレンズ直視が苦手なもに平。
ほぉっておくと、ほそ~い目&くら~い顔になります(写真みたいなの)。

入ったスタジオ内は涼しげな快適気温。
笑った顔の表現には必須の「舌を出してはぁはぁした」顔は、嬉しい時や楽しい時、興奮している時、または暑い時などに見られます。
なんといっても快適な室内、もに平の口は固く閉じ、待機中に小さく丸まってお昼寝を始めました。

さぁ・・キーワード達成のためには、どうしましょう。
タレント犬のお仕事では、得意なことばかりでなく苦手なことが必要とされることもあり、犬のストレスを減らすためにも、現場でのいろいろなアイデアが成功の鍵になります。

大きな目対策!
本来目は大きいもに平。
レンズさえ嫌がらず、普通にしていられれば大きいままのはず。
ここは目線が下にさがらないように(まぶたが下にむかないよう)、できるだけ上のほうに意識を集中させよう。
幸い近くにいられるため、ライトのかぶらないように気をつけながら、レンズに向かった状態でたくさんおいしいご褒美&アテンション取りはレンズの上部から。
カメラマンさんに覆いかぶさるように、指示を出してみました。
結果「大きな目」はクリア。

笑い顔対策!
室内は非常に快適温度に設定していただいていました。
なので、外に出て運動をしたら笑顔になるかと外に出たものの、外もいつのまにやら日がかげり、ちょっとやそっと動いても、いわゆるはぁはぁ顔にはなりません。
早々にその作戦はあきらめました。
またスタジオ内で遊んでも笑顔になるほどは、盛り上がりそうになかったもに平。
思い切って最後の手段、皆さんの快適空間を打ち壊すリクエスト「部屋の温度を上げていただけますか」を持ち出しました。
とても親切な皆様で、リクエストを受け入れてくださり、無事「笑顔」はクリアできました。

こうして大きな目&笑い顔は無事クリアできたのですが、今回とっても苦労したのが、正確な正確なまっすぐカメラ目線でした。
寄りのカメラ直視苦手が、アップだとよくわかってしまいます。
「あと1,2ミリでいいんだけど・・」 
その1,2ミリにとても苦労しました(汗)。

カメラ目線が要求されることが多いのは当然なので、レンズ直視苦手克服とあわせ、「レンズ」と言ったらレンズを見るなどの動作を教えておくと、こんな苦労もなくなるかもです。
毎回勉強になることがいっぱいです。

もに平ありがとう。
そしてご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
  1. 2008/04/17(木) 01:17:21|
  2. お仕事
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ちゃんと伝える

ちゃんと伝える


先日お仕事で必要だった行動に「前足で顔をなでる(敬礼みたいなの)」がありました。

これまできちんと教えたことがなかったのですが、これを機会に教えようと思いました。ただ教えるならキチンと教えなければ!というのが今回の最大の課題でした。
なぜかというと、同時に要求されていたのが「フセ」た姿勢のままでいること。これが最重要だったからです。

クリッカーなどを用いてたくさん強化された行動は、きちんとキューづけまでをして完成(クリッカーも卒業)させておかないと、勝手に最近強化された行動をし始めてしまうことが多いからです。

撮影まで3日。練習時間は毎晩約15分。シェーピング、キューづけ、プルーフィングまでのプランを(珍しく:笑!)真剣に考えました。まず行動を引き出すためにプロンプト(こすって欲しい顔の上に小さなテープを貼る)を使ったので、それをいつなくすか。単純にフセを維持していて欲しい時間のほうが長いので、しっかりとした弁別刺激としてのキューをつける。どんな環境(音、人、床材、距離などなど)でもキューが出たらできるようにする。しつこいようですが珍しく(笑!)プランを組んだせいもあり、無事撮影時には問題なくできました。

で、本題はここからです。
撮影から早いもので約3週間。ふと思いつき、その時つけたハンドシグナル(キュー)を突然出してみたら、なんとすぐに前足で顔をなでてくれました!
ひゃ~やはり真剣にプランを組んで一緒に頑張ったせいか、しっかり定着していることにびっくりです。

プランを組む。シェーピングを用い自発的な行動(犬が自分で考えてとった行動)を強化した。そして、与えられた時間が長くないだけに、注意を払いながら、無駄なく成功を数多く積み重ねられるようにした。言い換えれば、失敗の回数が少ないのですね。そして失敗していないから迷いもないし、嫌な刺激(私のがっかりした顔やその他嫌子となるような要素)がなかったために自信を持って行動を覚えられたのでしょう。

あらためて、犬に何かの行動を伝え、それをして欲しい時にしてもらうために、人間側の取り組みがいかに大切かということを実感しました。

一人でハンドシグナルを出しながら私が撮影した写真なので、かわいらしくないお顔ですが、演技中のもにへです。
  1. 2008/04/14(月) 00:52:24|
  2. コミュニケーション
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

望みは何!?

休むこと1


犬におとなしく足元でフセていて(または休んでいて)ほしいって、どんな状態なんでしょう。

例えば写真のえぢ。足もとにフセて(休んで?)ます。

いたずらもしてないし、吠えてもいないし、足元でおとなしいです。ただ実際にはおやつのチャンスを虎視眈々と狙っている、捕食本能バリバリの、精神的にはアクティブな休んだ姿勢です。狩りのモードかもしれません。一般的にはこういう状態から興奮し、要求吠えなどがでてくることもあります。

休むこと2


一方、もう一枚の写真のえぢは(休みすぎ・・ともいうが、写真がなかったので)、食べる物が出る状況ではないので下心(笑)なしの休んでいる状態。安心しているかもしれないので、本能ベースで言えば危機回避になるのでしょうか。

しつけ方教室などでは足元で休む練習をします。休む形だけでなく、さらに深く、その形でいてほしい理由まで考えると最終形として後者のほうを望んでいる場合が多いのではないでしょうか。

するとさらに考えるべきは、これを望むのなら方法とその際の強化子には何が適切かです。リラックスした瞬間または最中に、望んでた行動(形)だ!チャンスとばかりに食べ物が出ると、おそらく、多くの犬がトレーニングモードと呼ぶ(特に食べ物を強化子としている場合)捕食本能が前に出た精神的アクティブな状態になるでしょう。

目的が落ち着いた精神状態なら静かな声かけ、優しくなでるなどが強化子(ご褒美)として使えるようになっていると理想的かもしれません。

こんな風に考えると、犬にしてほしい事を伝える場合に強化子として効果的なものを、幅広く持っていることと、その選択にもう少し注意を払うとグッドですね。
  1. 2008/04/11(金) 08:54:09|
  2. コミュニケーション
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

RESPECT

respect

都内某所へ、もにへとお仕事にでかけてきました。
今日は撮影のお仕事だったのですが、残念ながらまだ多くの場合「動物は小道具」という印象を受ける時が多いです。

動物を見ると皆さん顔が微笑み、周りの雰囲気は和みます。これは、動物が私たちに与えてくれる素晴らしい魅力のひとつです。
ところがその同じ動物がいったん仕事の現場に入ると、その子が与えてくれてた魅力など、どこかに忘れさられたかのように「道具」扱いになってしまうのは残念です。
ただ、皆さんの動物と接する時の笑顔を見ていると、これは決して悪意によるものではなく、単に動物の繊細さ(細かくいうと行動パターン、習性、物の見方などなど)を知らないからだと思います。

動物は言葉が通じない分、コミュニケーションには、人間同士よりさらに十分な注意が必要だと思います。ふとした不用意な動作で信頼関係が壊れ、不信感やストレスがうまれてしまいます。そしてその回復には時間がかかることも少なくありません。

環境の変化や要求されている行動の一部が変更になっただけでも、注意を払いながら、動物に分かりやすい方法で伝えていくのが理想的です。この手順をふむだけでストレスを減らすことができるし、一緒に楽しく仕事ができる仲間になれます。

もっとも、知らないのがベースですから、広めていく役割を担うのは、そういったことに関する知識がある人間ですね。長い道のりではあるけれど、そして微力ではあるけれど、動物達の職場環境改善(!)の一助となれるように頑張りたいと思います。相手(動物)を思いやり理解する心と、相手に対する感謝と尊敬の気持ちです!

こんなことを書きながら、これって人間同士でも一緒かも・・とふと思いました。私も、動物だけでなく人間同士のことも、気をつけなくちゃいけません、はい(笑)。
  1. 2008/04/10(木) 01:01:13|
  2. コミュニケーション
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
前のページ 次のページ

プロフィール

えぢまま

Author:えぢまま
えぢもねとの毎日をエンジョイしてます。

カレンダー

03 | 2008/04 | 05
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -

最近の記事

最近のコメント

月別アーカイブ

最近のトラックバック

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード